――第三展示室――
「何とか先回りできたな‥‥」
「でもなんで第三展示室なの?」
「まゆら、暗号文のカード持ってるね」
「あ、うん、これね」
「まず『神が人に与える三度の祝福の鐘』一度目は誕生、三度目は人の死、葬儀だ。そして二度目は‥‥」
「祝福の鐘‥‥結婚式ですか!?」
「ご名答。『交わしたる契約』とはキリスト教系の結婚式の場合、結婚の証として契約書にサインする事になっているからこれの事だろう。そして『禁断の君』は『禁断の果実』の暗示。盗まれるのは『禁断の果実』、林檎の描かれ、しかも題に結婚と付いているこの絵だ!」
「その通り!なかなかやるな、ガキ刑事」
「‥‥(←弁解もめんどくさい)」
ばっと格好良くフレイはマントを翻すがそのマントから雪がばっさりと落ちた。通り過ぎて雪に埋もれたのであろう、おそらく。見守っているとフレイが口を開きかけると同時に雪だるまが突進してきた。
「何ぃ!やっぱりこの絵だったのか!。あからさまにフレイ好み(?)だから除外してたのにー!」
「おや、持ち場を離れて良いとは言ってないぞ?『雪やこんこんあられやこんこん君』もとい怪盗ヘム」
「うるさーい!。警官隊は雪の下だ!。役目は終わりだろう!(←結局負けたらしい)」
「残念ながらロキはいないぞ。いるのはガキ刑事(と眼鏡刑事(と‥‥おおう!まゆらちゃん♪。やはり来てくれたのか♪フレイは感激なのだ♪」
「(いや、だから此処に‥‥。もういいや、めんどくさい。しかしなんだってフレイが繭良を?。ま、いっか)まゆら!絵を守るんだ!。闇野君行くよ!」
「ふふっこのフレイに勝てると思うのか?。行け!雪だるま弾(!」
何かやな予感‥‥と思っていると雪だるまが口からぶわっと雪の塊を吐き出した。危ういところで避けてロキはフレイに掴みかかるが逆にその手をフレイに掴み返される。
「!」
「ロキ君!」
「ふっ‥‥行け!」
「うわっ!ってなんだこりゃあ!!。体が動かない!」
「ロキさまぁなんてお姿に‥‥。わっ!」
嘆いていると第三弾に闇野もしてやられる。下半身が雪玉に覆われてまるで動きが取れない。おまけにその格好はまさに雪だるま‥‥。恐るべし雪だるま弾(‥‥。
「ふっふっふ‥‥いいザマだな、ロキ」
「‥‥全身雪だるまにすごまれてもなぁ、ちょー不気味‥‥」
「黙れー!」
「まゆら!絵を持って逃げろ!」
「任せて!怪盗さんにこの絵は渡さな‥‥!」
「レディ、このような柔肌の手にそれは重労働だ。とフレイは思うぞ?」
紳士的な自然な仕草でフレイは繭良の手を取り、当然のごとく甲に手を付けた。逆の手ですでに絵を抱えていた繭良は赤面したまま硬直。他の三人もぽか〜んと口を開けたまま硬直している。ただ一人、フレイだけはふっと笑って軽々と繭良の体を抱き上げた。
「え?え?」
「『禁断の果実』と『禁断の君』、怪盗フレイが確かに貰い受けた」
「なにー!?」
「さぁ帰るぞ!ヘム。ふふっさすがのロキも手が出せず終いか」
「フレイ‥‥ロキなら此処に‥‥。待て!置いてくな!。この妙な雪だるまから出せ!」
ようやっと正気に返った闇野はとりあえずこれを何とかせねば‥‥と下半身の雪玉に目をやった。しかし、それよりも俯いて雪を殴りつけているロキの姿が目に入る。表情は見えないが‥‥怖いっ!。
「ロキさまぁお手が傷付いてしまいますよぉ。これおそらく雪ではないです〜」
「‥‥闇野君、君の魔法解いてもいい?」
「え?‥‥。ですが私の正体がフレイやヘイムダルに知れれば‥‥」
「一瞬で別の姿に変えるからいい‥‥」
「どうやって、ですか?。魔力もないのに‥‥」
「君はボクの息子だ。ボクの魔力と同質の力をその身に宿しているはず。それを借り受けるよ、良いね?。まったく、君を連れて来て良かったよ。これが鳴神君だったら‥‥あんの魔力ゼロの体力馬鹿!。ふふふっ見てろよ?フレイ」
ごくっと息を呑みながらも闇野はしっかりと頷いた。なんだかロキはぶつぶつと呟いていてすごーく怖かったが邪神ロキが怒りを示すその時の紅い瞳は、それ以上に彼を怯えさせた‥‥。
「ふふっ、さすがフレイの新発明、スレイプニル一号君の走りは快適だな♪。後ろに邪魔者がいなければさらに。腰にしがみ掴んで欲しいなぁ」
「勝手に巻き込んでおいて言うか?。こうしないと落ちるだろうが。それよりその女どうするんだ」
「まゆらちゃん人質!?。まさか殺されたりとか‥‥きゃー!まさに悲劇のヒロイン!」
「ふっフレイはそんな無粋な真似はしないのだ。このまま愛を誓い合い、フレイの后に、というのはどうかな?、まゆらちゃん♪」
「え?怪盗さんのお嫁さん?。わぁどうしよう‥‥怪盗さんか‥‥」
「本気で悩んでるし‥‥。どうでもいいから早くこれ何とかして‥‥!」
どうした?ヘムと尋ねる声に答えはない。ただどさっと後ろで何か落ちる声がした。振り返ると後ろに雪だるまはいない。
「?‥‥はうあ!まゆらちゃん!?」
さらに向き直った瞬間に手元の繭良はいない。左右を見回すといつの間にか併走している黒毛の馬の上にロキ、そして繭良の姿が‥‥。
「残念だが、このお嬢さんは探偵と婚約してるんだ」
「あ‥‥、嘘‥‥」
「怪盗に浮気なんて、いけない子だね、レディ」
「!」
「!!☆(←フレイ、ハニワ状態)」
ロキの唇が繭良の唇に重ねられる。たっぷり十秒ほどフレイが放心しているとロキが繭良を離し、繭良はパタッとその肩に倒れ込んだ。
「しばらくお休み、レディ」
「ロキ〜!。お前という奴はまたしても〜!。フレイくやしーのだ!!」
「さて、フレイ‥‥。ボクから二度も盗めると思うなよ‥‥?」
「わぁ♪ロキおめめがウサギさんみたいなのだ♪」
「‥‥」
「本気で怒ってる?もしかしなくても‥‥。ちょっと待っ‥‥うわぁ!!」
――暗転――
「くそー!ロキめよくも人を馬から蹴り落としたな!。雪だるまスーツじゃなきゃ死んでたぞ!この恨み必ず!」
「ふー、フレイまた負けてしまったぞい。その上まゆらちゃんとのあ〜んなとこ見せ付けて‥‥(いじいじ)しかし今度こそ必ずまゆらちゃん奪取だ!」
――懲りない二人‥‥(BY ロキ)――
でりしゃす☆でふぃーと♪
おわり
PRESENT FOR TATUMIN OF 2222HIT♪
PRESENTED BY AIR☆SKY♪
あとぐぁき
HIT記念依頼が三件続いたですが〜、一番最後に申告されながらも一番最初に書き上げました〜。何故なら一番楽だったから(爆)ショートショートのつもりが結構長くなッちったわ。ってわけで今回の分岐は激手抜き品(笑)もともとめんどくさいから人にあげる奴は分岐しないのよネ。しかし、フレイ&ヘムのはずだったんですけどねぇ(笑)まぁ覚醒ロキで許してくれたまい。今年はやみのっち年なのでお供はやみのっち♪(笑)なるかみっちはまたの機会にね♪。ってすぐさま3000HITとか踏むなよ!(ごごごっ←雪だるまヘムモード)
追加:でりしゃす☆でふぃーと♪は「おいしい敗北」♪。ほんとは「蜜より甘い敗北の味♪」にしたかったんだけどね、変になるのでやめといた。負け続きの二人に送るってーことよ♪。
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