もしも奇跡(ねがい)を叶えてくれるなら
この夜の方がふさわしいんじゃない?‥‥
「星語りの宴」ご招待状
崖っ淵に佇む墜落希望者の背を
思い切り突き飛ばしてやりたいと思うのはいけないこと?
墜落する勇気も、戻る勇気もないならば
いっそ手を貸してあげるのよ
そうすれば嫌でも()ちていけるでしょう?
本当は戻りたいのならば死ぬ気で押した手を掴むわ
だから、この手を突き出してみましょうか?
不安定な綱渡りに惑うその背に
 「何?今日騒がしいね、随分子供の声が‥‥」
探偵社の前を大勢の子供が走り抜けていく騒がしい声。普段こんな所に子供なんて通りかからないのに、と思っていると別の恐怖が胸を掠めた。もしやいつぞやの少年探偵団か!?と怯えているロキにああ、と闇野は笑みを浮かベ、さっとロキの机にガラスの器を置いた。
「七夕ですよ、きっと。ほら、探偵社の近くに笹林があるでしょう?。近所の小学校で笹を取りに来たのではないですか?」
「たな、ばた?。何だっけ?それ」
「おや、お珍しいですね?ロキ様が。あ、紅茶の『七夕星屑ゼリー』です♪。ご賞味ください♪。昔話ですよ。昔々に引き離された恋人達が、年に一度、この夜だけ天の川を越えて出会えるという、ね。笹の枝に願い事を書いた短冊を掲げると願い事が叶うを言う話もありますよ」
「ああ、あれね‥‥。願い、か‥‥。奇跡の夜なら、こちらの方が会うな‥‥。あ、これおいしいよ♪闇野君。ミルクかけても良いのかな?」
「そうね、天の川みたいで七夕には合うんじゃない?」
ロキ様が祭り関係誉めるなんて珍しい‥‥と思っているところにふっとお声がかかり、闇野は思わずその女性から後ずさりで遠ざかった。ロキはというと口の中に入れていたスプーンを引き抜かれてようやく女性に気付いた。女性は驚く二人は気にせず器のゼリーをすくって自らの口の中に運ぶ。
「あ‥‥」
「あら、ほんと。さすが闇野さんね、おいしいわ」
「あ‥‥ありがとうございます。飛鳥さんも召し上がりますか?。少しならまだ冷蔵庫に」
「いえ、摘み食いなんてしてごめんなさい、すぐ帰るつもりだから。でも、よろしかったら夕方、私の家に持って来て下さらない?」
「夕方‥‥」
「ですか?」
そう、と笑って飛鳥はすっとチケット大の紙をロキと闇野にそれぞれ手渡した。よく見たら和紙の短冊だ。飛鳥らしい洒落た筆跡で「星語りの宴 ご招待状」と書いてある。
「『星語りの宴』ですか、素敵ですね♪。やはり七夕祭りという事ですか?」
「ええ。うちに屋上があるでしょう?。そこで夕涼み会も兼ねて‥‥。幸太郎君には笹を頼んだし、まゆらさんには飾りを頼んだから闇野さんにはデザートをお願いするわ」
「では腕を揮わせて頂きますよ、飛鳥さん。他にも自信作を見繕っていきますね♪」
「楽しみだわ♪」
「例によってボクは何もないわけ‥‥?」
「あら、良いじゃない?賓客よ」
くすっと笑ってでも、と飛鳥は腰をかがめ、膝に手を当てる姿勢でロキの顔をのぞく。夏物の薄着の上、豊満な胸元がいい感じの角度に目に入ってロキは視線のやり場に困るが飛鳥は気にせず言葉を続ける。
「じゃあ、ロキ君には会場準備でも手伝ってもらおうかしら?」
「えっ‥‥。いや力仕事なら打って付けの輩を紹介したいなーと」
「大丈夫よ、テーブルは備え付けの物があるの。ちょっと拭いてもらったりとか、テーブルクロスを引いてもらったりとか‥‥」
「そのような事、何もロキ様でなくとも私が‥‥」
「何かしたいんでしょ?お願いね、ロキ君。私は蛍ちゃんの所に寄って行くから、少しゆっくり来てくれれば良いわ。じゃあまた後でね、二人とも」
有無を言わさず飛鳥は身を翻す。あれは何か企んでる時の口調だよな‥‥と思いながらロキは招待状に視線を落とした。飽きるほど見たところで字が浮き出るわけでもないが。それでも、彼女の企みの意図をそこに求めてしまう‥‥。


 夕暮れ時は嫌いだ。このオレンジ色は娘の死んで逝った黄昏の図書館を思い出す。娘が胸に打ち込んで逝った楔が今も疼く‥‥。
「柵の点検終わりっと。飛鳥さん!柵大丈夫だよ。次は何す‥‥」
ご苦労様です、と笑いかけるのは飛鳥ではない。丸い眼鏡にふわふわの髪。黄昏に消えた娘、ヘル‥‥。
「ヘル‥‥。良かった!無事だったのか!。そうか‥‥飛鳥さんボクを脅かそうと思って呼んだんだな?。体は大丈夫かい?ヘル」
「はい♪。死んだらすっかりと楽になりましたわ♪」
「え?‥‥」
「私、前よりずっと綺麗になったでしょう?」
触れた片手は真夏の悪夢のように冷たかった。ばさっと髪を掻き揚げる左顔は右と同じ綺麗な物。思わず身を引きかけてロキは娘の寂しげな目に気付き、思い止まる。
「ヘル、冗談は止めてほしいな。君が死んでいるなら、今ボクの前にいる君は何‥‥?」
「一人で死んで、ヘルはやっぱり寂しかったの、お父様。お父様の心を留めたままだけど、それじゃあ足りないの。やっぱり、ヨルムンガンドが羨ましいわ」
「ヘル‥‥」
「ヘルと一緒に来て♪お父様。ヨルムンガンドも一緒よ♪。それならば、誰も寂しくないでしょう?」
「駄目だ‥‥。違うよ、ヘル」
「どうして?。お父様はやっぱりヘルがお嫌いになってしまったの?」
違う!とロキは頭を抱え、激しく左右に振った。幻ならば消えて欲しい。その声で、その姿で、『寂しい』と呟かないでくれ‥‥。一緒に来て、という言葉に胸が痛くなる。一緒に逝けず、手を離してしまった自分を、今さらながらに攻め立てたくなる。
「嫌いじゃないよ、大好きだよ、ヘル‥‥。だから!」
「一緒に来て、お父様」
「駄目だ!。‥‥だから、一緒に行けない‥‥」
いつの間にか、娘の体は柵の外にあった。自分の体も。自分の手を握ったまま娘は身を投げ出した。つられそうになったロキは思わず壁を掴む。娘の手がするりと抜け落ち、どさっと地面に崩れる音‥‥。
「!ヘル!」
「‥‥父様‥‥やっぱ‥‥とは一緒に‥‥くれないのね‥‥」
「ヘルー!違う!ボクはこんな事望んで‥‥」
「今から手を離せば良いのではなくて?ロキ」
「飛鳥、さん‥‥?」
「逝っておあげなさいな、娘と一緒に」
妖しい微笑を浮かべ、飛鳥はロキの傍に屈み、必死に壁を掴む指を剥がしていく。やめてくれ、と喉下まで出かかってロキはその言葉を飲み込んだ。下では娘が自分が追って来る事を望んでいる。一度は見殺しにしてしまった娘が。だから今度こそ一緒に‥‥。手が、完全に壁から切り離される‥‥。
「‥‥嫌だ!」
――死にたくない、ボクはまだ‥‥――
――何のために生き続けるの?主神はボクを見放したって言うのに――
――でも、でも!――
 「目は覚めて?ロキ」
ぴとっと額に冷たい物が触れる。反して頭の下は柔らかく温かい。自分を覗き込む顔にロキはしばし放心の表情を見せたがようやく状況を理解して跳ね起きた。
「!飛鳥さん!?。あの‥‥ボク‥‥?」
「どう?悪夢は楽しめて?。ふふっ悪夢が楽しいわけはないわね。でも、久しぶりに娘に会えて良かったでしょう?」
――夢‥‥?何処からが?何処までが‥‥夢?――
「貴女があんな夢を‥‥?。夢とは言え、ヘルを二度も‥‥ボクの前で!」
「やっぱり、気が立っているようね、ロキ。それにとても不安定‥‥。あの夢は貴公が望んだのよ、ロキ」
「ボクが、娘の死を望んだと‥‥?」
「ほら、そうやって私に喰って掛かる‥‥。私は貴公の望みを叶える手助けをしただけよ。感謝して欲しいくらいだわ」
苛立ちの視線を向けると飛鳥は気を害した様子もなく白い椅子に腰掛けるといつの間に用意していたのか硝子ポットからアイスティを注ぐ。はい、と手渡されるそれを、苛立たしく思いながら取ってしまうのが不思議だ。一気に飲んで気付くがそれはグラスの趣に反して麦茶だった。
「‥‥(似合わない‥‥)なんで、ヘルを殺す事がボクの望みだと‥‥?」
「早とちりしないで欲しいわ。親より先に行くのは子の不幸。それを止められぬは親の悔やみ。だから貴公は望んだ。娘が再び蘇る事を望み、娘の死を止める事を、娘の死を止められぬなら共に死ぬと望む。私に言わせてもらえば馬鹿な望みだわ」
「馬鹿‥‥!?貴女に何が分かるんだ!」
「分かるわよ、貴公が娘を追えなかった事を思えばね。生きたいんでしょう?。死にたくないんでしょう?。だったらおやめなさいな、娘の再生を望むのは。彼女は何度でも貴公の前で死に、何度でも貴公は娘を追えない」
「夢は夢で、夢のヘルはヘルじゃない!。あの子は、二度と一緒に来てくれなんて言わない。そんな子じゃない‥‥。死者を、ボクの心を踏み躙るのはやめてくれ!もうたくさんだ!」
「じゃあおやめなさいよ。いつまで娘の死を引き摺っているの?。あの子は貴公の死を望んでいなかったんでしょう?。いつまで、娘と一緒に自分の心を葬って、いつまで、目をそらしているつもりなの?」
――それこそ貴女には関係ない!――
声を荒げて叫び、ロキははっと口をつぐんだ。一瞬飛鳥の表情が止まる。対して変化のない表情にははっきりと傷が見え、すぐに沈んでいった。
「それだけ元気なら大丈夫ね」
「飛鳥さ‥‥」
「余計なお世話だったみたいだわ。煩くしてごめんなさいね。柵の点検が終わったなら、休んでて良いわ、皆が来るまで。迎えに行ってくれてもいいけど」
ボク‥‥飛鳥さんを傷つけた?。何で‥‥?何であんな顔ボクに向けるんだ‥‥。ボクだって、傷付いたんだ‥‥。
――だから、ボクは悪くない――
そうなのか?自分が傷付いたからって、人を傷付けて良いのか?。何で‥‥飛鳥さんはそんなにボクの事‥‥。
「ロキ様‥‥」
「闇野君‥‥いらっしゃい」
「どうかなさいましたか‥‥?」
「ううん、なんでもない。‥‥飛鳥さんに、ヘルの事話した?」
「え?‥‥あ‥‥はい‥‥。ロキ様のご様子がおかしいと、心配なさって下さってたんで、飛鳥さんにならと‥‥。いけませんでしたか?」
「ううん、ありがとう。なんで飛鳥さんボクの事心配してくれるんだろう?」
しばらく沈黙した後、闇野は理由が必要なんですか?と逆に聞き返してくる。えっ?とロキは不思議そうに見ている息子を見上げた。
「だ‥‥って‥‥。君はボクの息子だろう?飛鳥さんはそういうんじゃ‥‥」
「うーん、ロキ様だってまゆらさんや鳴神さん達を心配なさるでしょう?」
「そりゃ、皆は友達、みたいなもんだし‥‥」
「そんな理由じゃいけませんか?。飛鳥さんは優しい人なんですよ。優しいから、関わった人を心配してくれる。労わろうとしてくれる。その手段は色々でしょうけど‥‥」
「‥‥はっきり言ってくれればいいのに‥‥」
「それが飛鳥さんらしいところでしょう?」
そうだけどね、と苦笑してロキはため息を漏らした。荒療治で、起こそうという配慮だろうが、それで逆に自分が傷付けられて、そんな損な事、どうして自分から引き受けるんだ?。
――らしくないよ、アストレイヤ。貴女は本来誰にも荷担しないはずだろう?――
「謝りたいな‥‥」
「飛鳥さんに?」
「うん‥‥ヘルにも」
「かけてみますか?星に。こんな夜なら、奇跡が起きたっていいでしょう?。なんて‥‥都合が良すぎますか」
夕焼けは、いつの間にか闇に代わっていた。天の川にはもう橋がかかり始めているだろうか?。一年に一度の奇跡が(そら)で起きているのならば地上にだってあって良いではないか、と神が願うのは反則だろうか。ふと、背後に人の気配が立っていた。会に呼ばれた誰かか?と思って振り向くとその娘が微笑する。
「お父様、ヨルムンガンド、お久しぶりです」
「‥‥ヘル!?」
「‥‥本当に?‥‥本当ですか?ヘル」
「はい!お父様にお礼が言いたくて、ちゃん言えなかったから‥‥。私を思ってくれてありがとうございます、お父様。ヘルは十分幸せですから、もうヘルのために後悔するのはお止めになって」
「ごめん‥‥ヘル、君を守れなかった。ボクは父親なのに‥‥。寂しい思いをさせてしまったね、ヘルが望むなら、今度こそ一緒に‥‥」
「ヘルは此処にいられれば十分です」
そっとロキの胸に触れる手は幻と違って温かかった。ヘル‥‥と言いかけて言葉が詰まる。察したのか娘は笑いかけただけ。そして、ロキの二の句を遮るように闇野に向き直る。
「ごめんなさい。ヨルムンガンド。痛かったでしょう?苦しかった、でしょう?。私は馬鹿だから、ずっと後になって気付いたの。謝りたかったの‥‥。貴公の傷が消えるわけじゃないのに‥‥」
「いいんですよ、ヘル。私は確かに父様を独り占めにしていたんです。私も寂しかったから、ヘルの気持ちも良く分かる。だから、初めからヘルの事、怒ってないですよ。忘れてください」
「‥‥ありがとう、ヨルムンガンド。これで私、やっと楽になれたわ。お父様をお守りして差し上げてね、ヨルムンガンド」
「もちろんです」
「ヘルの分まで、ヨルムンガンドと一緒にいてあげてくださいね、お父様」
「‥‥もちろんだよ。だから君も、幸せにおなり、ヘル」
はい、と微笑む娘の姿が、足からすっと闇に溶けていく。悪夢の再来に、ロキの体はびくっと震える。けれど今度は、肩にかけられた息子の手が、力強く支えてくれる‥‥。ちゃんと、死に逝く娘を見守れる‥‥。
「ありがとう、お父様、ヨルムンガンド。それから今夜私を此処に()んでくれた異国の女神様にも、御礼を言ってくださいね」
「!」
「分かりました。おやすみ、ヘル」
――おやすみなさい――
子供が眠りにつくような、無邪気な笑みを残してヘルは消え去った。立ち尽くすロキの方をポンポン、と闇野が叩く。うん、と頷いてロキは入り口に向かおうとした。が、なだれ込んできた人間に押し返される。
「あ!いたいたロキ君!見て見て!短冊書いたんだよ!。なんて書いたと思う?」
「‥‥なんだ、まゆらか‥‥『ミステリー!』な事がいっぱい起こりますように、だろ?」
「ぶっぶー!。正解は『ロキ君が元気になりますように!』でした!。この企画もロキ君のためなんだよ!感謝なさい!」
「‥‥」
「おい、ミステリー女、短冊に書いた願い事って人に教えると叶わないって知ってたか?。おまけに企画内容までばらしやがって」
「光太郎‥‥ミステリー女って‥‥。あ、ロキ君お久しぶり。前は色々とおありがとうね」
嘘!と叫ぶ繭良にほんと、と光太郎が意地悪く笑う。その手前で蛍がロキに再会の挨拶をしてじっと顔を覗き込んでくる。
「な‥‥何?なんかついてる?‥‥」
「ん?ううん、光太郎が言ってたより元気そうだと思って安心したの」
「‥‥光ちゃんも心配してくれてたわけ?」
「ばっ‥‥してねぇよ!。ただ辛気臭い顔してっからさ、嫌でも気が付くぜ」
「‥‥ありがとね、光ちゃん」
「何だよ急に‥‥気味悪ぃな‥‥。‥‥そういや探偵、飛鳥さん知らね?。インターフォン越しに『先に始めてて』って言ったきり全然姿見てねぇんだけど」
先に用意してて、捜してくる、とロキは騒ぎの輪を外れた。そっと闇野が寄り添うが大丈夫、とやんわりと同行を否定。そのままロキは階段へ、闇野は祭りの輪の中へと戻っていく。
 馬っ鹿みたい。そう愚痴ってグラスを一気にあおる。こんな飲み方はワインに失礼だと思う。思いながらも飛鳥はグラスにワインを注ぎ、挙げたグラスに自分の顔を映す。
「おせっかい!」
グラスに映った自分の赤い顔が自分に向かって言い返す。
「分かってるくせに‥‥こうなるって。叩き起こされたら誰だって不快じゃない。分かっててやったんでしょ?。叩き返されるって分かってて!」
だったら傷付いた顔をするのは卑怯だ。傷付くのは愚か過ぎる。弱すぎるんだったら手を出さなければ良い。手を出すならそれなりに強くならなければいけない。弱いから半端な火傷程度で怯えて手を引いてしまうのだ。
「貴女ってほんと馬鹿ね、飛鳥‥‥。さ、そんな顔やめて、上に戻るわよ。呼び出した私がいないんじゃ皆不快になるわ」
自分を叱咤する自分の顔に、飛鳥は余計に哀しくなった。先ほど出せなかった傷が、一筋だけ血を流す。一筋よ、それで終わり、と飛鳥は自分に言い聞かせ、指先で涙を拭おうとした。ふっと視界に飛び込んで来る少年の顔。何故?と気付かなかった事を自問してぼーっとしていると少年は飛鳥のシャープな顎のラインに指先を沿わせて涙の筋に唇を付けた。
「!!」
「涙、似合わないよ、飛鳥さん」
「!」
ばっと少年の体を突き離すと飛鳥は顔を逸らしてごしごしと涙の筋を拭った。けれど止まらない。人に涙を見られるなど、これ以上の屈辱はないのに次々と溢れて来る。
「馬鹿‥‥ロキ君のせいよ‥‥」
「心外だな、ボクにキスされるのそんなに嫌?」
飛鳥の気持ちを察したのか少年は飛鳥の頭を胸に押し付ける。仮初めの体は小さくて、その腕は細すぎて、体を依るにはあまりに頼りない。けれど、飛鳥の涙を隠すには十分すぎる。
「意外と涙脆かったんだね、知らなかった」
「関係ないでしょ、ロキ君には」
「それさっきの仕返し?痛いな‥‥。ごめんなさい、飛鳥さん。それから、ヘルに会わせてくれてありがとう」
「そんなにあの悪夢がお気に入り?」
「泣きながら憎まれ口?。まったく貴女たって人は素直じゃないんだから‥‥。本物のヘルに会わせてくれてありがとう。ヘルからも、ありがとうって」
「‥‥素直じゃないなんて、貴公が言えた立場なの?」
それも痛い、とロキが苦笑すると顔を伏せたまま、飛鳥がくすっと笑った。まだ少し涙を残した笑いだったけれど、彼女の事、もう涙の後すら残っていまい。
「貴公からお詫びとお礼を聞くなんて、明日は雨ね。あーあ、もういいわ、お行きなさいな。主役がいなきゃパーティが始まらないでしょ」
「それを言ったら飛鳥さん‥‥」
「いいの、行きたくないの。若い人で楽しんでいらっしゃい」
「なにをおっしゃる、今日の主役が。そんな拗ねた顔なさらずに。笑って?。そう、ちょっと呆れ入ってる?。パーティの席までご案内させて頂いてよろしいですか?レディ」
「‥‥許すわ。案内して頂戴」
「御意、ではお手をどうぞ」

あとぐぁき
 なんか、やっちゃった‥‥(えへっ♪(汗))久しぶりに出しといてこれかい!って感じ(笑)本筋としてはヘルちゃん絡みの辺りが納得いかなかったからなんだけどぉ。ほんとはヨルムンガンドじゃなくてお兄様と呼んで欲しかった‥‥(泣)ついで飛鳥さん再リクが多かったので。しかし‥‥うっかりと飛鳥さん相手にプレイボーイっぷり発揮してしまったぁ!!。オリジナルだからあんまり出ばらせたくないんだけどなぁと思いつつ〜もはや遅いか(笑)次はちゃんとまゆらちゃんとラブ♪にさせてあげよう‥‥(汗)こんな事やってるから飛鳥・ヘム・フレイ絡みの夢なんて見るんだよな‥‥(今朝方)
 ついでにほんとは一周年記念をやろうと思ってたんですけどだらだらと軽鬱にかかり((笑)またの名を何も書きたくない病とも言う)七夕企画もクリスマス系にしたかったけど時間なくてこれさえ昨日書きあげたばっかりでさぁ!!(泣)まぁ七夕は旧暦の七夕もあるのでそれに間に合えばリクもやってもいいかな〜。でも前みたいに全部が全部は出来ないと思うので気が向いたらだな〜。でもHITリク待ちの方のリクエストは大優先させて頂きますわ♪(汗)という訳で気が向いたら感想と一緒にリク依頼なぞ送ってやってくださいまし〜!。七夕以外のイベント形でも良くってよ?。

夕闇を待つ暁の部屋へ