AIR☆SKY Presents♪ 魔探偵ロキクリスマス特別プレゼント♪
Last Date?
「ふわぁあ‥‥良く寝たな‥‥」
寒いな‥‥とも思ったがもう起きねばなるまい。ベッドを出ようとするとふと枕元にある箱が目に入った。今日は十二月二十四日。クリスマスプレゼントには一日早い。
「‥‥闇野君だな?。もう、意外な所でおっちょこちょいなんだから。大人しく喜んでおくか」
しゅるっと赤いリボンを解き、箱に手をかける。可愛らしい色のリボンだが彼はそんな趣味だっただろうか?。まぁ店員にやられたのかもしれない。箱のふたを手に取って何が入っているのか中をのぞく。
「!!どわぁー!!」
「ロキ様!どうなさいました!?。‥‥ごほっ‥‥なんですかこの煙‥‥」
「ごほごほっ!。こっちが聞きたいよ‥‥って、何これ‥‥」
「ロキ様〜♪メリークリスマース!!。スクルドからのプレゼント気にいってもらえまして?」
「だぁ!」
天井に張り付いていたのか天井を突き破ってきたのかとにかく上からスクルドが落ちてくる。その重みにロキは潰されなかったらしい。いやむしろスクルドの体など軽い方だ、今の彼にとっては。
「玉●箱かー!まったくー!!。こんなんでほいほい元に戻れるなら誰が魔力集めなんてー!!」
「もちろん一日限定ですわ♪。って‥‥ロキ様いきなりそれは大胆すぎます〜。でも私ロキ様だったら‥‥」
「何の話だぁ!!。いきなり戻されてパジャマが台無しになったんだろが!。闇野君着替えお願い!。それからこれどっか出しといて!」
「は、はいただいま」
――十分後――
「で?‥‥何の用なわけ?」
「きゃ〜ん♪横顔に怒りを湛えつつそれを堪えてトーストをかじる姿!素敵ですわ!」
見世物にされているようでロキは怒る気力も抜けて来た。今日は日曜日だから繭良が来る事は間違いないし、その前に隠れるか逃げるかしなくては‥‥。
この前は逃げ切ったけど此処に居ちゃさすがに無理だよな‥‥。
「クリスマスイヴと言えば!恋人達が手に手を取って語らい、町を行く時‥‥。と言うわけでデートしましょ?ロキ様♪」
「‥‥誰と誰が?」
「いやん♪もちろんロキ様とわた‥‥むぐっ」
「失礼しましたわ、ロキ様」
ほほほ、と上品かつ何やら怪しげな笑いを湛え、黒髪の美少女がスクルドの口をふさぐ。ノルンの一人、ヴェルダンディだ。
「ヴェルダンディ!何で邪魔するの!?」
「その魔法の効果は夕方までですわ。それと、私からもプレゼントを用意しましたので是非受け取ってくださいませ。では、ごきげんよう」
「なんでなんでロキ様とのデート邪魔するの〜?わぁーん‥‥」
「尊公のお相手は、スクルドごときでは務まりませんわ」
ふっと笑みを残し、ヴェルダンディはスクルドを引き摺りながら部屋を出て行く。引き摺る様にはとりあえず目を向けないでおいて、何だか怪しげなセリフに大人ロキは眉をひそめた。と、玄関チャイムの音。時計を見るともう十時を回っている。まずい!とトーストを咥えたままロキが椅子を飛び出すのと奥へ!と叫びながら闇野が玄関先に向かうのがほぼ同時。とりあえず台所に逃げ込んだロキはトーストをむぐむぐと処理しながら様子を伺う。
「はいはい〜♪まゆらさんですか?。おはようございま‥‥。ロ‥‥ロキ様ぁ〜!?」
「しっ!闇野君まずいってば!」
「多分おそらく絶対的に大丈夫なので来て下さい〜‥‥」
激しくおかしな日本語は彼がよほどの精神的ショックを受けたためだろう。まったく、とぼやきながらロキは隠れ隠れ玄関に向かった。闇野は玄関先で膝を付き、何者かの肩を支えにしながら号泣している。その何者かは「ほよ?」ととぼけた顔をして引っくり返りそうなくらい精一杯にロキを見上げた。
「‥‥、ちびまゆら!?」
「ロキ様ぁ〜まゆらさんがこのように縮んでしまいましたぁ。私は一体どうしたら‥‥」
「なにっ!?この場で縮んだの!?それともこのまま来たの!?」
「開けたらすでにこの状態でした‥‥」
もし家からこの状態で来たんだったら‥‥まゆらパパ失神してるかもな‥‥。
繭良はいつもの繭良ではなく幼稚園くらいだろうか?。前にまゆらパパの記憶で見た時よりは少し大きかった。けれどセミロングに可愛らしいリボン。妙に乙女チックな服装は変わらない。
「お兄ちゃんが探偵サンなにょ?」
「え‥‥うん、そうだよ」
「良かっちゃ♪。まゆりゃね、探偵さんに会いに来たにょ!」
「‥‥おうちから来たのかな?」
「うにゅ‥‥良く覚えてにゃい‥‥。でも此処に探偵サンがいりゅのは知ってちゃの。今日はくりすましゅだから探偵サンのおうちに行かなきゃなにょ」
「(小さくなってもクリスマスパーティやろうって言い出したのはしっかり覚えてたんだな‥‥)良く来たね♪。じゃあとりあえず中に入ろうか。(闇野君!)」
合図すると「ラジャー!」と言わんばかりに闇野が繭良を抱え上げて中に入る。誘拐犯さながらだったが特に誰も気にしないだろう。とりあえず椅子に座らせ、目の前にお菓子を与えるとロキと闇野は彼女の目に付かない所に移動した。
「‥‥。ねぇ、あれってやっぱりさ‥‥」
「ヴェルダンディの言ってたプレゼントではないでしょうか‥‥」
「君もそう思う‥‥?。どうしようか、ヴェルダンディの仕業ならボクと同じ夕方には魔法が切れるはずだけど」
「鳴神さんはバイトとしても光太郎さんやレイヤさんがいつ来るか分からないですし‥‥。夕方までまゆらさんを連れて何処かに行かれるのがベストでは‥‥」
「‥‥闇野君は夕方のパーティの準備だよね‥‥」
「ええ‥‥、まゆらさんがこの状態では、今から始めないと‥‥」
そうなるとボク一人であれを‥‥。とロキが落ち込んでいるが闇野は「頑張ってください!ロキ様!」と応援体制。仕方がない、と大きくため息を付いてロキはちび繭良の前に屈んだ。
「?」
「まゆら、何処に行きたい?。好きな所に連れて行ってあげるよ♪(車で行かなくてすむ範囲に限るけど)」
「遊園地」
「遊園地?」
「うん、前にパパとママと一緒に行っちゃ遊園地に行きちゃいの」
――そんなわけで遊園地――
くるくると回るメリーゴーランドに乗りながら「お兄ちゃーん!」と声を張り上げるちび繭良にロキは愛想笑いを浮かべて手を振る。しかしちび繭良の乗った馬が去ると力なく柵に身を伏せた。
「ボクってこれじゃあまるで家族サービスの父親だよ‥‥。子供がちょっとでかいけど」
はたから見れば随分若いお父さん位には見えるかもしれない。兄にするには少し年が離れすぎだ。
そう言えば‥‥いつものまゆらとボクがあべこべになったんだな‥‥。ボクあんなに小さくないけど。
「お兄ちゃーん!」
「!」
気が付くとちび繭良がとてとて走って来る。メリーゴーランドはもう終わりらしい。ロキの体に全身アタックを喰らわすと跳ね返ったようにすぐ離れてねぇねぇ♪と小さい手でロキの手を掴む。
「お兄ちゃん今度はあれ!ありしゅのてぃーかっぷ!」
「ああ、それくらいなら付き合ってもいいかも‥‥」
とロキは気を許し、ティーカップに乗った。しかし小さくなっても中身は繭良。此処で侮ってはいけない。
「ぎゃー!!回しすぎだ!まゆら!!」
「きゃははははは!」
何処にそんな力があるのかティーカップの真中の円盤をちび繭良は豪快に回す。程なくしてようやく解放されたロキはかなりへろへろ。反してちび繭良はかなりご満悦の様子だ。
「楽しかったね♪お兄ちゃん!」
「ふふっ‥‥さすがまゆら、ちびでも侮りがたし‥‥!」
休んでいると視界に見知った顔、垣ノ内光太郎とそのガールフレンド(礼によってまた違う)が入った。気付くなよ‥‥と願いつつ立ち去ろうとするがその視線がロキの方に向く。
「よぉ探偵」
「!!(あー!もう嫌だ!垣ノ内家!!)」
「じゃないんだったか?。はっはっは!悪ぃ悪ぃ」
「いーえ‥‥」
知ってる人?素敵〜♪と言う彼女の声に反射的に愛想を振り撒いてしまったが、じゃ!とロキはちび繭良の手を引いて身を翻す。が何か思案するような光太郎の視線が背中に痛い‥‥。
「夕方には行くからな、探偵」
「ああ、うん‥‥。!!って伝えとくよ、実は従弟でさ!」
「なぁーんだ、どうりで似てると思ったぜ。はっはっは!!」
「はははっ。じゃ!」
――ロキ様第一難関ご通過――
「ふー、こんな事で光ちゃんに出くわすとは‥‥」
「お兄ちゃんあれなーに?」
「!。サンタか。クリスマスだから何かやってるのかもな」
「さんたってなーに?」
「え?サンタ知らないの?」
!、そっか、まゆらパパは神主、神道だから‥‥。う〜ん確かにクリスマスプレゼントとかはなさそうだな、大堂寺家には。
「サンタはね、良い子にしてるとクリスマスイヴの夜に枕元にプレゼントを置いてくれるんだよ」
「まゆりゃも?。まゆりゃにもくれりゅの?。まゆりゃいい子だよ!ママがいなくても泣かないよ!」
「うん、そうだね」
「こぉらロキ!」
「!」
と叫びながらサンタが突進してきた。ロキ様二回目のピンチご遭遇♪。
「ぬぁんで相変わらず貴様だけ元に戻ってんだ!!」
「おう!サンタ♪。まゆらー!サンタさんだよぉ。これはプレゼントもらわなきゃいけないな♪」
「無視すんな!ロキー!」
「やれやれ、相変わらず突進型単細胞だね、君は‥‥。何で戻ってるかって好きで戻ってるわけじゃないよ。しかも夕方までの時間制限付き」
「ん?なんだこのちびっこいの。まさか!人間界ですでに隠●子を!?」
どかっべきっ(残酷描写を避けている(??)えあとしてはしばらくお待ち願いたいですな♪)
「なぁんだ、大堂寺だったのか♪。って‥‥なんで大堂寺がこんなにちまいんだ!?」
「今頃遅いわ!!。どうもヴェルダンディに魔法をかけられたらしくね。ボクと一緒に夕方までこのまま」
「ふーん、それまで子守りか、大変だなぁ」
「というわけで来るなら夕方にしてくれたまえ。じゃっ」
「お兄ちゃーん、今度はね、あれ!あれに乗るにょ!」
「はいはい‥‥」
ロキ様第二のピンチクリアー。しかし真の恐怖は此処から始まる‥‥(のかもしれない)
その1:ジェットコースター
「ぎぃあ〜〜〜!!」
「きゃはははははは!」
その2:フリーフォール(地上××メートルからの自由↓)
「いやだー!死ぬー!おろしてくれー!」
「きゃは♪高いたかーい♪」
その3:なんだか知らんがぐるぐる空中振り回される奴(って身長制限OKなの?)」
「‥‥(もはや言葉もない)」
「くるくる〜♪おめめがまわりま〜す♪」
その他諸々に付きあわされ、疲れ切ったロキ様を慰めるかのように繭良はようやく大人しめ、大観覧車を指差した。これなら、とロキは足を運び、観覧車の席に座った。
「あーようやく落ち着いた。まゆら、見てごらん。まゆらの家が見えるかもよ。まゆら?」
すっと膝の上に頭が倒れ込んで来る。そして小さな寝息。観覧車の中は意外に静かでゆっくりだった。回り切るまでだ、とロキはくすりと笑って繭良の頭に片手を置き、片手を窓枠に乗せてその上にさらに顎を乗せた。
クリスマスプレゼントか‥‥。ヴェルダンディは何だってこんな事を‥‥。ボクへのプレゼント?。まさか‥‥。じゃあ、まゆらへのプレゼント?。
「まゆらは何処かで望んでいたんだろうか、こうなる事‥‥」
幼い頃に戻ってしまいたいと‥‥。わずらわしい存在やボクや‥‥今の全てから逃げ出して何もなかった幼い頃へ‥‥。ならば、それを留めるのは傲慢だ。まゆらが望むのならいっそ、このまま‥‥。
「お兄ちゃん‥‥どうしたの?哀しい顔して‥‥」
観覧車が終わりそうな気配を察したのか顔を上げた繭良が心配そうにロキを見上げている。はっと我に返ってロキは慌てて微笑を浮かべた。
「別に、なんでもないよ。さ、観覧車は終わりだ!」
ボクは今何を考えた‥‥?。いっそ、終わりにしてしまえとでも‥‥?。それこそ、傲慢じゃないか‥‥。
「さ、帰るよ!。パーティの準備も出来てるだろうし!」
「待って!。まゆりゃ、も一つ行きたいの!」
「もう一つ?」
「お兄ちゃんは待っててね。ぜったいぜったいまゆりゃのことっててね!」
「?うん」
そう言って繭良は駆け出した。ゆっくりと後を追うと一つの屋敷にその姿が消えて行く。
「ジャックと豆の木?‥‥」
――何故だ?。この年の繭良のママはとっくにいないはずなのに――
――どうして、またそこに入って行くの?まゆら‥‥――
小さな繭良が出て来るまでの長い、けれど短い待ち時間。いつ出て来るのか、ちょっとはらはらドキドキ。中の繭良も、きっと同じ気持ち‥‥。
「お兄ちゃん!!」
「お帰り」
頭を撫で、抱き上げる。きっと父親がするであろう行動。おかしいにゃ‥‥?と思いながら、この気分が嫌ではなかった。
「さぁ、帰るよ」
「うん!。まゆりゃね!」
「うん?」
「すごい楽しかったにょ!。ありがと♪お兄ちゃん♪」
「うん‥‥」
あべこべちぐはぐの夢はもう終わり。聖夜が見せた奇怪な夢。もう、再び出会うことは、ないでしょう‥‥。
「お楽しみになりまして?ロキ様」
真っ先に出迎えたのは闇野ではなくヴェルダンディ。玄関先でにっこりとあの特有の笑みを浮かべる。
「ヴェルダンディ‥‥。どうしてこんな事を」
「彼女の願いだったから」
「!!」
「再び‥‥大人の尊公様に会う事、それが彼女の望みですわ♪。まぁそのままでは無理なので多少改造させていただきましたが♪」
「は!?なにソレ!?」
「乙女心は複雑ですわね。ではまた、ごきげんよう」
ポムっと煙幕が現れ、それに包まれるとヴェルダンディの姿も消える。煙に咽ていると再びロキは元の姿に、そして繭良はいつもの繭良に戻っていた。
「で‥‥またこれなわけね‥‥。って何故まゆらだけ元の格好なんだ!!。闇野君着替え用意してー!」
――それは、彼女が纏っていたのが夢だったから。覚めたら元通りの儚い副産物。だから、再び会いたいのなら夜の扉を叩きましょう。今宵、良い夢を‥‥。
Meryy Chisumasu♪
Last Date?
おわり♪
ま「なんで私来て早々に寝ちゃったわけ?。しかもなんで今頃あの人の夢なんて見たんだろ‥‥。もしかして欲求不満なのかしら‥‥?」
ロ「疲れてるんじゃないの〜?(くすっ)
あとぐぁき♪
この特別版まゆら編はももにゃんへの遅すぎる!(強調)お誕生日祝いと♪玉緒さんへの猫光ちゃんのお礼にお届けしました♪。大人ロキリクエストが多かったのでそれに対するお詫びも込め‥‥。ももにゃんお誕生日おめでとう♪&玉緒さんどうもありがとう♪
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