ようこそ、青学王国へー3rd day

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 イヌイは基本的に夜と朝の境というのを意識しない生活をしている。自分が起きていれば朝、または昼。寝ている時が夜だ。流石に仕事をしている手前、昼夜逆転ということにはならないが、他人よりも睡眠時間が短いという指摘には否定する要素がない。できれば仕事をしないで、自分の研究のみに時間を割きたいと思っていたが、生活していく上では金も必要で、その必要な金は自分で稼ぐしかない。親には頼れない、というよりも「金をくれ」などと言えば間違いなく母親に殴られるだろう。父は金を貸してくれるかもしれないが、返済期限は短いだろう。二人はイヌイがその気になればこうして働いて、自らを養える力があることを知っているから、それ以上に構ったりはしないのだ。彼らはもっと構いたい人達をたくさん持っていて、そしてそれを息子であるイヌイに押し付けないだけの分別も持っていた。

 両親は世界中と飛び回っていて、一人息子のイヌイはある時から青学の王宮に残ることを選んだ。目的は違えど、いずれは両親のように世界中を飛び回ることも考えには入れているが、今は青学の膨大な資料を調べることで満足していたし、それが出来る時間と立場を喜んで仕事にしていた。そこにさらに新しく加わった風巫女の教育係という役目を、イヌイは仕事が増えると嫌がったりはしなかった。いや、連れてこられる風巫女によっては、それは嫌で面倒な仕事になった可能性もあったが、昨日青学へやってきたフジという印象的な瞳を持った巫女は、この仕事を役得と思えるほどの好人物だったのだ。それはイヌイが明日のためにと、椅子ではなくベッドの上で数時間の睡眠をとったことにも現れている。それほど昨日は充実した一日だったと言えたし、それほど今日が楽しみだったという事実に他ならない。

 イヌイは朝から機嫌良く目を覚まし、いつもなら机に突っ伏して寝ている時間にはベッドから起き上がって顔を洗った後だったのだから、毎朝欠かさず起こしに来てくれるカイドウが驚くのも無理はなかった。本当はカイドウと一緒に朝食をとって、それから風神殿へ向かおうかとも考えたけれど、今騎士団の食堂へ行くと質問攻めになるのは目に見えていたのでカイドウには一人で食事に行ってもらうしかなかった。

 朝から調子の良さそうなイヌイを見て、カイドウは複雑そうな顔をしていた。今日みたいにいつも自分で起きてくれればいい、と思っているのが半分、しかしそんなイヌイではカイドウの方の調子が狂う、というのが半分だろう。熱でもあるのではないかと本気で心配してくるカイドウに、イヌイは自分の機嫌がいつになく浮ついている理由を話した。彼はその内容をどう思っただろう。どう思ったにせよ、イヌイが言う以上には、カイドウは新しい風巫女に興味を持っていないようだった。イヌイはそれを残念に思ったりはしなかった。カイドウのことは誰よりもよく分かっているつもりだ。彼が他人に興味を持つには、本当に特別なことがなくては難しいだろう。けれど蓄えているデータとは全く関係なく、妙な予感でもって、イヌイはカイドウと風巫女を会わせる必要性を感じていた。

 青学の図書館で働くカイドウに、イヌイは午後、風巫女を連れて図書館へ行くことを伝えた。カイドウは好きにしろと言いたげに頷いて、今頃は食堂でもらった朝食を、図書館の中の小部屋で食べていることだろう。イヌイはカイドウより先に自室で朝食をとった後、昨日と同じように風神殿へ向かっていた。昨日は少し早すぎたようなので、今日は昨日よりも四分ほど遅く着くように計算してみた。朝からどこか誇らしげに護衛として立っている若い騎士に尋ねると、丁度一分ほど前に年かさ従女が朝食を片付けて出ていったところだと言う。イヌイはそのタイミングに満足して、護衛の脇を抜けると風巫女のいる階へ降りて行った。

「フジ、イヌイだ。入っても大丈夫かい?」

 私室となっている部屋の扉をノックして中に呼びかけると、中でぱたぱたと軽い足音がして、人の気配が扉のすぐ側までやってきた。きっとすぐに扉は内側へ開かれて、あの蜂蜜色の頭が覗くだろうとイヌイは予想していたのだが、一歩下がって扉が開かれるのを待っても予想通りにはいかなかった。扉はいつまでも開かれず、もうすぐ側まで来ているはずなのに、とイヌイが首を傾げると同時に扉の奥からはフジの声だけが返ってきた。

「イヌイ、おはよう。でも部屋に入るのは待って!」

 それは女性――扱い――の部屋ですから、待てと言われれば押し入るわけにもいかないだろう。しかしもう既に朝食まで終えているのだから、

「着替え中?」

 なんてことはないだろう。案の定、扉の奥からは冷たい反応が返ってきた。

「違うよ、なに期待してるの。……イヌイ、一人?」

 いや、着替え中だったとしても押し入ることはしない、と思うし、着替え中であることを期待していたわけでは決してないのだが。だから、その、とやましいことなどないはずなのに予想通りだった返答にこうもうろうろと慌ててしまうのは何故だろう、と頭の隅で考えたイヌイは、後半の言葉については無意識の内に答えを返していた。

「一人だよ」
「絶対? 嘘ついてないよね」

 固い声で重ねて尋ねてくるフジに、イヌイのうろうろしていた頭もしゃきっとした。どうやらお遊びからかいの類いではないらしい。真剣に何かを警戒している風なフジの様子に、イヌイは咄嗟に意識を銀製の腕輪に集中させた。ぐんと頭にかかる負荷のような感覚と、すぐに引っかかってきた小さな光。それは決して警戒するようなものではなく、イヌイは眉を顰めて扉の奥に呼びかけた。

「何でそんな嘘をつかなければいけないんだ。言っておくけど、半径五十メートル以内にいるのは、俺と警備の担当者だけだよ」

 嘘のないイヌイの答え。しかし扉の奥の気配はそれでもなお逡巡している様子だった。朝から上機嫌だっただけに、この対応には少しイヌイも落ち込んだが、そっと開かれた扉の隙間から申し訳なさそうに覗いた小さな頭と、見上げてくる蒼い瞳には敵わなかった。

「……ごめんね。気を悪くしたでしょ?」

 ちょっと落ち込んだよ、と本気で返せるだろうか。ただでさえしゅんと小さくなっている体を、これ以上縮めるような言葉は返せない、とイヌイには思えた。だから全然気にしていない、という風に微笑んで肩を竦めて見せると、フジはほっとしたように微笑みを返してくれた。イヌイは自分の対応が間違っていないことを確認して満足だったが、それにしても――

「一体どうした? まさか、誰かの気配を感じたとか?」

 と問わずにはいられなかった。実際に不可解な狙われ方をしてこの青学へやってくることになったのだ。イヌイは何も感じていないが、昨日注意して聞かせたように、どんな能力のある覚醒者がどの国にいるのか、正確なところは分からない。もしかしたら何か神殿で覚えたものと似たような気配を感じたのか、と思って問うと、フジはちょっと眉を顰めて首を横に振った。

「ううん、そうじゃあないよ」

 答えは否定だが、表情は硬い。ちょっと体をずらしてイヌイを部屋の中へ入れてくれようとするので、イヌイは首を傾げながらもそれに従って部屋の中に入りかけた。

「いや、だがそれなら…………おや? 飛燕がここにあるのはどうして……」

 瞬間、思わず身震いするほど部屋の気温が下がったと感じたのは間違いではない。なんだ、一体何が起きた、とイヌイは焦る。自分は部屋に入れてくれるというフジに従って部屋の中へ入り、その長身のせいでフジの頭上越しに部屋の中を見渡したのだ。そこは昨日訪れた時とほとんど変わらず、ただテーブルの上に飛燕という名前の顕現武器が置かれていることだけが昨日との違いだったから、それを指摘しただけのことだ。

 もちろん、武器を身に帯びて生活することのできない巫女の事情から、飛燕はテヅカが預かることに決まっていた。昨日もテヅカの腰に彼の顕現武器である零式と一緒に納まっていたのをイヌイは確認している。それが、一晩明けたら覚醒者であるフジの手元にあった。そしてフジは、それを指摘されると明らかに機嫌が悪くなったのだ。それらの事実を、イヌイはどう繋げるべきかこの時点では判断できない。

「……フジ?」

 先程までしゅんと小さくなっていたフジの体が、今度は怒りで大きく見える。イヌイがおそるおそる震える頭を見下ろして声をかけると、フジの顔がぱっと上がって、小さな口から弾丸のように言葉が飛び出してきたのだった。


 そしてフジの口から飛び出した弾丸を避けたような受けたような状態で、混乱しつつもイヌイは再びフジの部屋の前に戻っていた。鏡烏のおかげで近衛隊長の来訪を知ったイヌイがそのことを告げると、フジに部屋を追い出されてしまったのだ。全く損な役回りながら、イヌイだとて原因は知りたいから渋々テヅカがやってくるのを待っていた。

「イヌイ」

 何故部屋の前に立っている、と言いたげな顔でテヅカが声をかけてきた。おはようの一言もないのはお互い様か。

「テヅカ、お前、一体何をやったんだ? 朝来てみれば、風巫女様の機嫌は最悪だぞ。理由を聞いてみればお前に寝込みを襲われたって言うし」

 正確には「テヅカが、僕が眠っている間に……すごく……酷いことをしだんたよ!」という言葉だったのだが、具体的にどう酷いことだったのかは流石に問いつめられず、「眠っている間」+「酷いこと」=夜這という図式をとりあえずイヌイは頭の中で作り上げてみたのだった。本当にテヅカ本人が夜中フジの部屋に忍び込んだとは思えなかったものの、飛燕がフジの手元にあったことから昨晩の出来事とやらも多少の予測はできていた。

「……昨日の夜、飛燕を抜いた」

 案の定、渋い顔をしてテヅカが事の次第を話し出した。

「フジの顕現武器を? どうしてまた」
「銘を確かめたかった。寝入った夜中ならば影響はないだろうと思ったんだが、思っていたより飛燕とフジの同調率が高くなっていたようだ」

 そもそも覚醒者の現れた顕現武器を他人が触ることはできないから、イヌイがフジの言う「酷いこと」をすることはできない。だがテヅカに鏡烏を触られたことはあるから、その時の感覚を思い出せばフジの気持ちはよく分かった。覚醒した時点で、顕現武器は自分の体の一部だ。最初は髪の毛くらいの感覚しかなくても、そのうちにまるでおなじ皮膚で繋がっているような、そんな感覚になっていく。当然不用意に触られて嬉しいものではない。

 テヅカとて、いくら自分が他人の顕現武器に触れることができるからといって、一旦覚醒者の現れたいわば他人のものとなった顕現武器には持ち主本人の意思を確認してからでなくては触れないようにしてきたはずだ。普段預かるという飛燕の例が特殊だったとしても、預かる以上に触れることに関して、本人の許可も取らずしかも寝ている間に行おうとするなんて。

「……そりゃあ、まずいよ。確かに寝込みを襲ったのと同然だ、テヅカ」

 非常にまずいし、テヅカらしくない行動だ。銘を確かめるくらい、フジが起きているうちに彼の許可をとってからでも良かったはずなのに。あまりにらしくないやり方に、イヌイは驚きを通り越して呆れてしまった。テヅカの方にも自覚があるのか、まさに苦虫を噛み潰したような、嫌に殺伐とした顔をしている。

「反省している。だから朝一で謝罪に来たんだ」

 あまり反省しているように見えないけれど、とイヌイが思ったのと同時に、部屋の中からフジの非難の声が上がった。先程から彼らの会話が聞けるように扉に張り付いていたようだった。

「朝一じゃあないし! イヌイが一番だった」

 フジの指摘に、テヅカが益々眉間の皺を濃くしてイヌイを睨みつけてきた。そんな「お前の間が悪すぎるせいだ」みたいな顔をされても困る。夜中にイヌイの与り知らぬところで彼らが起こした出来事に、自分はどれだけ超人的に空気を読まなくてはいけないのだ、と反論したくなって当然の理不尽さではないか。

「……確かに俺が先だったな」

 とりあえず事実なのだから、とイヌイが慈悲もなく告げると、テヅカはイヌイからその背後で硬く閉じられている部屋の扉へ鋭い視線を動かした。

「……とにかく、入るぞ、フジ」

 手を伸ばして扉を開けようとしたが、鍵がかかっているようで開かない。ここでまたイヌイが睨まれたが、一体どうしろというのか。イヌイは鏡烏を使って部屋の中にいるフジの様子を見ることはできても、烏の足では内側から扉を開けることはできないのだ。肩を竦めて協力できることは何もない――というか悪いのはテヅカだから協力する気はさらさらない――ということを意思表示すると、テヅカは舌打ちしそうな勢いで再び扉に向き直った。なんてガラの悪い近衛隊長だろう。

「…………フジ」

 扉越しにでもとりあえず謝ってしまおうという姿勢でないことは評価できるけれど、とイヌイは静観の構えをとった。それにしたってやはり謝りに来ているようには見えない。

「やっぱり君に預けておくのは嫌だ。飛燕は僕が持つ!」
「そういうわけにはいかないだろう。開けろ」

 訂正、謝りに来ているようには見えないし聞こえない。

「君、本当に反省しているの?」

 フジがそう疑うのももっともなことだ、とイヌイは思うが、当のテヅカは幾分か心外そうな、憮然とした様子で答えた。

「している」

 それにしては不遜すぎるだろう、と声に出して突っ込みたいところとイヌイはぐっとこらえたのだが、

「そういう風には聞こえない」

 フジはイヌイのようにこらえたりはしなかった。怒っているのだから当然だろうが、それにしてもどんどん雲行きが怪しくなってきた。いい加減色々と有耶無耶にしてでも仲裁しなくてはいかんだろう。近衛隊長が一目惚れの相手と一晩で喧嘩、などという噂が飛び交うことは断じて避けなければならない。そうこれは英断だ、とイヌイはひとり頷いた。

「おいおい、二人とも……」

 そんな子どもみたいな態度は止めて、ちゃんと顔を合わせて説明――釈明?――しろ、と一番年長の兄のような態度でイヌイが割り込もうとした直後に、テヅカもまた個別に英断を下していた。

「分かった。どうしても開けたくないというなら仕方ない」

 そう言って溜息をついたテヅカは、扉から手を離して一歩後ろに退いた。このまま午後にでも会うことにしてお互い頭を冷やすのもありか、と思って行動を見守っていたイヌイだったが、続いて真っ直ぐと前に伸ばされたテヅカの右腕には目を剥いた。どこか見覚えのある構えだ。それが何の構えなのか、思いついて止めようとした時には遅かった。

「ま、まさかテヅカ、お前……」
「ちょ……やっ!」

 扉の奥から驚愕に詰まったフジの声が――色っぽいと言ってもいい――漏れて、イヌイは益々焦ったが、テヅカは一人涼しい顔で顕現武器を呼んでいた。

「”顕現せよ、飛燕”」

 ぐんと、その場の空気が捩じれた。おそらくフジは出来る限り抵抗したのだろうけれど、テヅカはそんな抵抗を見越した上での暴挙に出たのだ。フジの顕現武器はしゅるりと光の固まりとなって扉をすり抜け、テヅカの手の上で羽ばたく白い燕の姿をとる。すると部屋の中でがたがたと音がして、次の瞬間には硬く閉まっていた扉が開いたかと思うと頬を赤くしたフジの顔が覗いたのだった。

「ちょっ……信じられない!」

 目の前で繰り広げられているのが、あまりにあまりの展開で、イヌイも同じように叫んでしまいたいくらいだった。

「”結晶せよ、飛燕”」

 フジの怒りの眼差しが注がれる中で、テヅカはさらに怒りを煽る行為をしてのける。フジの力ではなく、自分の力で飛燕を武器の姿に結晶させると、右手に納まったその武器を、当然のような流れで自分の腰に下げたのだった。

「君、一体何しにきたの!」

 わざわざフジを怒らせに来たのだと言われた方がまだましだっただろうが、テヅカは体の前で腕を組んでこう答えた。

「謝罪に来たと言ったはずだ。昨晩はすまなかったな」

 ちょっと首を下げたように思えたのは、単に身長差のせいでフジと目を合わせるために首の角度を変えたにすぎなかったようだ。

「あのね……!」

 さらに顔を赤くして怒りに言葉も出ない様子のフジが、何とか罵りの言葉を紡ぎ出そうと息をした。イヌイはそれを宥めるという選択肢を持つことができず、おそらくはこれまでの育ちのせいで罵りといってもたいした語彙がないのだろう風巫女に、同情の眼差しを向ける。自分なら怒濤の勢いで延々十分間、あらゆる語彙を尽くして罵り続けられるだろうに。いっそ代わりに、とイヌイが提案しかけ時だった。イヌイの視界から外れていたテヅカが、何でもないことのように告げたのは。

「それと、顔が見たかっただけだ」

 いつもは他人の言葉を解するのに時間など置かないはずのイヌイが、一秒ほど思考停止した。耳を疑う、というのはこういうことを言うのだと生まれて初めて理解した後に、ようやく頭が鈍く回転を始めたのが二秒後。一体どんな顔でそんな台詞を言うんだこの男が、とイヌイはさっと首を動かしてテヅカを見た。これが三秒後だ。

 ……どんな、って普通の顔……だな。

 鉄壁の無表情。反省しているというような顔でないことは勿論、微笑むこともなければ、特に照れてもいない。睨んでいるのかと他人に思わせるほどの鋭い眼光は緩むことなく、言葉の裏の感情を読むことなどイヌイでさえ出来はしない。

 顔が見たかったって……。

 シチュエーションが違えば、あるいは少し照れでも見せてくれればそれはそれは立派な口説き文句だと判断できただろう。近衛隊長だって人の子だ。美しい女子に一目惚れをすることもあれば、惚れた相手を口説くことだってあるはずなのだ。

 しかしこの状況は絶対に違う。

 現に本人は言葉通り風巫女の顔を見てそれで勝手に満足したのか、飛燕を持ったまま踵を返して本宮殿へ戻って行ってしまったのだ。昨晩の行為を謝るという目的も達し、これから朝の訓練にでも行くつもりなのだろう。イヌイはその後ろ姿に待てと呼びかけることもできず、テヅカの姿が見えなくなってから恐る恐るフジの方に視線を移した。

 同じように立ち去って行くテヅカを見送っていたフジの顔は、怒りとは別のもので赤く染まっていて、イヌイは溜息をつかざるをえなかった。するとその盛大な溜息が聞こえたのか、我に返ったフジが涙目でイヌイを見上げる。

「な……な、何なの?! あの男は!」

 手持ちのデータをかき集めても、その問いに対する有効な答えは見つけられそうになかった。イヌイに出来るのは、その叫びが神殿の警備にあたっている兵に聞こえなかったことを願うことだけだった。

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